2004-09-14

CASA

建築についてはまるっきり素人の僕だが,
コロニアル建築と仕切りのない空間をこよなく愛しているのは事実である。

モダン建築の限りうるまでの潔さは見る者の目を圧倒する。
驚嘆の声を支配する。
だが,潔さは完全無垢を要する。
それ故に,僕にはその建築がキレイに年を重ねる姿を想像できない。
自身の最高の美を無機質に保ち続けるその潔癖症は,いつまで満たされうるのか。
内部ならともかく保たれようとも,建築とは,外部との協奏にも完全性を委ねるもの。
そこに不協和音がいつ打ち込まれるのか。恐れに慄く日々は続く。

それに比べて,クラシカル建築はいかにも寛大である。
己の年の輪を微笑みを以って重ねていく。
かといって,若々しさも知らず知らずのうちに沁み出される。

(うーむ…一部略)

空間の仕切りは一つの芸術である。
しかし,その仕切りの芸術を完全に取り払うこと,
恰も人間の試みの進化を乱暴に逆行すること,
空間を支配することをやめ,己からその麾下に跪く姿に,
僕は原始的,かつ原子的な快感を覚えずには居られない。


批評なるものに挑戦してみたが,
言葉の羅列にどれほどの深みを沁みだせるか。
まだまだですねぇ…

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